2006年02月07日

Paranoia in the Launderette


1998年、Bloomsbury社から刊行。
ブルース・ロビンソンの書いた小話です。手のひらサイズのポケットブックで、ページ数は44ページ。だから、500円ちょっとで買えるし、一気に読んで笑えます。ロビンソン入門としてはお手軽な一冊と言えましょう。
テレビ番組の脚本を書いているライターの「僕」が、コインランドリーで悲惨な目に合うという粗筋。あ、パラノイアなのは「僕」です。書いている脚本の影響で、凶悪犯罪者の影を見てしまうという…。おそらく、「僕」はブルース・ロビンソンの投影なんでしょうね。
とにかく悲惨で、アンラッキーの連続な「僕」。笑えます。「ウィズネイルと僕」のノリが好きだったら、こちらも楽しめるでしょう。
あと、短いので英語の勉強にはとてもお勧めです。ブルース・ロビンソンは、実はお手本みたいに整った文章を書く人なのです。だから英文法に慣れようと思ったら、この人の本を一冊読むと良いんじゃないでしょうか。
ただ、語彙は豊富すぎて難しいのが難点かもしれません。略語・口語の類が多いので、辞書で調べても判断つけられないことすらあります。(ロビンソンの頻出単語”Slash”がトイレに行くという意味だと、最近になってやっと気が付いた…)
が、そんなのは調べないで放っておけばいずれ見当がつきます(笑)。ディケンズの影響を批評家に指摘される巧みな散文で、笑いながら英語の勉強っちゅうのは如何でしょう〜?

そうそう、面白いと思ったこと。
コイン・ランドリーに美女がやってきて、「僕」をドギマギさせるんですけど、彼女はパキスタン人なんですよ。普通に西欧の作家が「美女」とだけ書いたら金髪・碧眼とか、ブルネットとか、ともかく白人が前提ですよね。
「キリング・フィールド」もカンボジア人が普通に主役をはっている数少ないハリウッド映画でしたが、ブルース・ロビンソンの作品は西欧中心な先入観が少ないので、前面に倫理が押し出されていなくても心地が良いです。
posted by heathertop at 12:03| Comment(0) | TrackBack(0) | Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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